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0,ppp.@cafe pm

2018.05.19 Sat
「とりまこひ」
「なんの暗号?」と訊くと、
「とりまコーヒー」ゆんが答えます。
だから、とりまってなに。なのですが。
「あさちゃん私も。とりまコーヒー」
「はい」
とりあえずまあ、適当に出しておきましょう。
苦情があればお代いただかないということで試飲用の豆から二杯抽出。音楽が流れているといいのになと思いながら、一滴、二滴、三滴。
「なっつん返してアレ」
「ごめ。置いてきた」夏子は手帳を見ながら答えました、続けて私に、「あさちゃんトーストもらえる?」
「ありがとう」
午後六時二十八分。
水曜日、商店街の灯りが窓ガラス越し滲みます。

ちらほらお客さんが増えてくると、ゆんと夏子は敬語になります。
「あのあとログインしたけど、いませんでしたね?」
あのあと。「ああ。うん。ログインしたんだけどね」
「夏子さんは厳しいですね~
 だから言ってたじゃないですか。こちらのマスターは、カスなんですって」
「聞いてましたわよ? でもほら一応。約束ではハーモニカっていうことでしたので。ね? それともハーモニカで良かったのかしら」
「カスですよカス!奥さん」
「ゆんねえさんもおひとがわるいんだからもう。そんなわけあ」と夏子が話しているときに割り込んで、
「ごめんなさいねサーバーちがっちゃって」と言います。
「ぎんだらの粕焼きとか美味しそう」ゆんがボールペンを床に落としました、「あ。スキマ」
「落ちちゃいましたね?残念」と、床を見ずに夏子。
「あとで拾ってから大丈夫よ」と私は言いましたが、床の割れ目に見事に落ちて、しかもそこだけ深い場所。
誰かに頼んで掘り出してもらいましょう、あとで。
「今日は賑やかですねぇ」ゆんが退屈そうに言います。
「そろそろお祭りの季節ですものね」夏子が話を合わせますが、お祭りってどのお祭りのことでしょうね。
ふと気づけば午後九時八分ってところでした。
ほどよく店内が空いて、ゆんと夏子がカウンターにいるだけになりました。
「おかわりする?」と二人に訊くと、
「ウーロン茶がいい」と夏子。
「じゃあ麦茶」
「それは、それは」私は冷蔵庫を開けて、数日前から入れたままのペットボトルを開けます。いただきものです。
「どうぞ」と出すと、
「これなに?」
「なにこれ?」
「アイスコーヒーです?」と答えておきます。

「にがい」
「まずい」
と二人が言うので、
「お気に召しました?」と。
「にがいよ、これ。くだもの?」と夏子が言います。
「まっずいね、これ。なに。スパイスかなにか?」ゆんが舌を出しました。
「本当にコーヒーですよ。アイスコーヒー。作り置きしておいたの」
「めずらしい豆とか?」と夏子、「でもまあ、飲んだあとサッパリしてるかな。かなあ」
「カレー飲んで冷えたマーボ飲めって言われた感じ」
「カレーもマーボも入ってないですよ」
「にがい」
「まずい」


「いろいろもっと話したかったけど」ゆんが言います、
「また今度」
「に、しよっか?」と夏子。
ゆんはカバンを開けて手帳を取り出しました。
「来週なんだけどさあ」ゆんが手帳を見ながら言います「仕事やめることにしました」

ゆんを見ると、じっと。ああ本気なのね。と、わかる視線の強さを感じます。
「ゆん」と夏子は言ったきり、そのまま。

「いまでもいいよ?」私が言うと、ゆんは首を振りました。


その夜。ゲームの話は、それ以上しないで終わります。

次の日、午後六時十五分を過ぎたあたりで、ゆんが、続いて夏子が来ました。

午後八時を廻ったあたりで、ゆんが「それじゃ」と言い、続いて夏子が「また明日」。
と言いながら閉店まで一時間ほど居座っていました。




午前三時五十分。
朝食の準備を終えて、ひと息つけるタイミング。私はログインします。
校庭の片隅です。誰も、いません。

とりあえずまあ、エピソードでも。
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