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水たまりに映る前

2012.11.08 Thu
 まあ誰が誰なのか、といったことは、自然と理解できるでしょうから気にしてませんでした。
 「とりあえずさあ、来てみてちょうだいよぉ」と彼女が言うので、
 「着て見る?」と聞き返して見ました。
 なんとなく間が空きましたが、
 「それだよそれ!」と彼女は機嫌良さそうに言うのです、
 「要するにさあ、同じ趣味の仲間同士ってことになれば、すぐに打ち解けるんだしぃ」と。

 「わかったわ、じゃあ次回の集まりとやらに、お邪魔させてもらうわね」
 「さっそく連絡しとくからさあ、楽しみにしとていてって。いやまじで!」
 




 いまならコスプレサークルと言えば、理解が早いのでしょうけれども。
 ううん、当時もコスプレという言葉は、すっかり浸透していたはずよね。

 おそらく私の中に、期待と不安が渦巻いていたのです。

 個人的な趣味としての衣装作りです。
 まあ着て写真撮ってもらったりすることも、あるには、ありました。
 とてもとても限られた人間関係のなかでの、ささやかな戯れです。

 同好の人との出会いとなると、なんと言ったら良いのやらという感じです。
 「サークルやってるんだよ」と彼女が初めて話し始めた時、
 私は「ふうん」と答えただけでした。
 興味が無いというよりも、別世界だったのですよ。
 彼女とは年齢は近かったのですが、まあ、こちらは学生ではありません。
 学校という環境からは、すっかり遠ざかってしまっているのですよ。
 同級生が高校生だからといって、別世界には違いないのです。
 私が制服を着た時点で、それはもう、まぎれもなくニセモノであり、なんちゃってなのですから。
 
 



 あの頃の私は、仕事が終わると、その日の気分に合わせて服を選んでいました。
 いろいろな制服を着こなしていたわけですが、まあ、なんちゃってです。
 もしも『学校どこ?』なんて聞かれてしまったら、答えようがありませんし。
 別人になりたいわけでもなく、誰かに憧れてるというわけでもなく、
 どこかこう、もっと自分らしいスタイル、というのを模索していたというか。
 

 「ぶっちゃけコスプレやってる子のなかには、服作ったことない子いるんだよね。
  だから衣装作れちゃうって時点で欲しいわけなの、うちに。
  しかもそのなりでしょ、自分で着ちゃってるていう。
  いや。
  普段着にしちゃってるって時点で、ツワモノよ。即戦力だわ」

 「ごめん・・・言ってること、よく分かんないよ」

 「来れば分かるって!」

 彼女の自信に満ちた声とオーラが、なんだか眩しくてしかたなかったのですよ。
 
 
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まとめ【水たまりに映る前】
 まあ誰が誰なのか、といったことは、自然と理解できるでしょうから気にしてませんでした。 「とりあえ
まっとめBLOG速報 2012.11.15 12:49

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